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2013.11.29

語順の入れ替え

訳文を作るときに原文の順番を大きく入れ替えることがある。それが可能になるのは、原文に忠実であるとは、原文の形式への忠実ではなく、原文の意味への忠実であるからである。

入れ替えの一例として並列する幾つかの単語やフレーズの順番の入れ替えがある。何故そのようなことが可能なのか。

実際に入れ替えをする場合を考えると、まずは自然現象で順番に生起する事象がその通りに並んでいないときである。これは書き手が事態を正確に理解していないからで、それを翻訳するときにそっと修正するのである。

しかし入れ替えをする場合はまだある。それは思考の順番が文化圏により異なるときである。ものごとを説明するときに全体的な鳥瞰図を示してから具体的な事例に入るような思考が日本語にはあるが、英語やフランス語では、個別事象を見せてから次第にズームアウトをして全体を見渡すような説明をしている。それをそのままにしていると、読んでいて頭に入りにくい。そこで入れ替えをするのである。

よく考えれば動詞でさえ入れ替えている。動詞が主語のすぐ後に来る英語と、文章の末尾に来る日本語とで翻訳をするときには、動詞の位置を入れ替えている。それに違和感を抱かないのであれば、それ以外の要素についても入れ替えて不都合はない。

入れ替えが可能な場合はまだこのほかにもある。そのような入れ替え操作はいずれも原文の意味を忠実に反映しなおかつ読み手に自然に理解させるための方策である。

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