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2014.01.24

数字の日本語表記

今の横書きの日本語では数字にはアラビア数字を使い、数字が大きくなると3桁で区切るのが一般的である。しかし英語の125 millionを日本語ではどう表記するのが良いか、カンマは使うべきなのかなど、色々な問題がある。

英語の125 millionを日本語で表記するときでも幾つものやり方がある。さてどれを用いるのか。

125,000,000
125百万
1億2千5百万
1億2500万
1億2,500万

125,000,000としたのでは読みにくい。数表などで123,456,789とあればそのまま使わざるを得ないが、経済記事などで百万未満が丸められているときに長々と書くのは適切ではない。

そこで125百万という表記法が出てくる。企業実務ではこれが普通かもしれない。有価証券報告書などもこの表記法である。しかし社会人になった当初慣れるのに苦労した。読むのが難しい。125を見た瞬間に「ひゃくにじゅうご」と言いたくなるが、それを頭の中で一度変換して「1おく2せん5ひゃく」と言わなければならない。まあ暫くすると慣れるのであるが。

これに対して1億2千5百万という表記は、旧来の縦書き漢字表記の方式を横書き算用数字に適用したものである。数字1文字と位取り(一種の単位)とを組み合わせてあり読み方が簡単である。1文字とその読み方を対応させるだけなら頭の中で演算をせず書いてあるとおりに読めば良いからである。しかし表記が長くなる。

ところが新聞雑誌の表記は上の何れとも違う。日経株価は1万5900円と書き、全国百貨店売上高は6兆2171億円であると書いている。

さて一体何故このように多様な表記法があるのか。そのどれを用いたら良いのか。

イギリスとフランスで日本語を教える機会があった。そのときにこの問題を考えたことがあった。どうやって数字の読み方を教えたらよいか。その結果3桁区切りと4桁区切りという発想の違いをきちんと伝えるという結論に達した。漢字を使う文化圏では発想が4桁区切り、それに対し欧米の文化圏では3桁区切りの発想をしていて、読み方もその発想に合わせている。

つまり十進法で一、十、百、千、万と桁が繰り上がるときに漢字文化圏では4桁で一まとまりにして、最初の4桁について万というユニット名を、次の4桁について億、さらにその先に兆というユニット名をつける。そのユニット名の中では最初の一、十、百、千を繰り返している。

これに対して欧米の文化圏では3桁で一まとまりにして、最初の3桁についてthousandというユニット名を、次の3桁についてmillion、さらにその先にbillionというユニット名をつける。そのユニット名の中では最初のone、ten、hundredを繰り返している(ただし昔の英語はイギリスとアメリカで不統一であった)。

この区切りの違いを意識すれば、125 millionを125百万と訳すのは、まだ欧米文化圏の3桁区切りの発想を引き摺った表記であるということになる。社内文書はそれでも良いが、一般読者向けには4桁区切りの発想で良さそうで、新聞のように1億2500万と表記するのが適切である。

そして4桁区切りの発想を採用するとなれば、1億2,500万というようにカンマを用いるかという問題にも自ずと答えが出てくる。4桁発想の文化圏ではカンマは不要。1億2500万で良いのである。

言葉は時代を映して変わる。しかし4桁区切りを前提にした数字の読み方は日本語を母語とする人々の頭の中にしっかり定着している。この発想法を変えるのは、単なる事物の片仮名化(例えば配達といわずデリバリーというようなもの)とは違い、相当の年月がかかるであろう。というわけで今のところは、上記の表記法ですっきり。

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