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December 2017

2017.12.14

海外の翻訳会社との取引1続

翻訳者として看板を掲げても最初はなかなか仕事がない。ひたすら売り込みをするのであるが、そのうちに仕事の打診が来るようになる。漸く売り込みの成果が表れたのかと嬉しくなるし、懐具合もあるのですぐに飛びつきたくなる。

しかしちょっと待て。海外のエージェントは日本以上に玉石混交。さまざまな国の会社がある。その経営者や従業員の生まれ育った環境は日本とは違う。うぶな日本人の思いもよらない行動に出ることがある。その前に相手を確認しなければならない。

翻訳会社も翻訳者をチェックしている。履歴書や翻訳事例を提出させ、トライアルを受けさせ、翻訳者を選別している。それと同じように翻訳者の方でも取引相手の確認をしておかねばならない。前回紹介したProz.comは有力な手段であるが、その他に翻訳会社をリスト化したものや不払いに特化したものなど色々なサイトがある。そのような情報を自衛のために活用しない手はない。

事前の確認をしないとどうなるか。曾て当方も引っかかったし最近も日本の方が不払いになっており、他の方が同じ轍を踏まないよう実名を挙げるが、EQHOという会社がある。この名前をProzのBlue Boardに入力すれば被害に遭った翻訳者の証言を読むことができるので、一読をお勧めする。世界中の翻訳者が不払いに遭っている。数千ドルになる例もある。Prozではこの会社がProzのサイトを使って仕事を募集することを禁じている。特別に被害者の証言を読めるようにしているのも、この会社の悪質さを理解しているからであろう。

皮肉な見方をすれば、この会社が今でも成り立っているからにはこれも一つのビジネスモデルである、ということかもしれない。経験の浅い翻訳者を集めある程度の仕事をさせ、最後に翻訳料を踏み倒す。新規のリソースはいくらでもあるので、この手法を繰り返すことで生き延びられるというわけである。ただ会社は本社をタイからシンガポールに移している。

当方が前にやられたとき調べてみたら、この会社の創業当初の人物はタイにいる外国人社会で問題を起こした人物であった。会社はその後名前を変え経営者も変わったが、類は友を呼ぶである。不良外人仲間で、俺はもうやめるが、お前やらないか、なにちょろいもんだ、翻訳者など新規にいくらでも集まるさ。そんな会話をしているのではないかと想像する。

その頃、同じタイの別の翻訳会社からこちらに連絡をしてきたことがあった。これも同類の会社。当方からの売り込みをしていないのに、先方はこちらの詳細を知ってコンタクトしてきている。同じバンコックで翻訳者の名簿が流れたのではないかと思っている。その会社(というかその仕事をしている男とそれにくっついている女)はその後シンガポールからさらに南アメリカに移って同じようなことをしている。

それにしても、そこで働く経理の人間には同情する。世界中から来る支払の督促に言い訳をするのが彼らの仕事になっているであろう。そのようなことを日々繰り返す従業員の心境如何。心ある者は早々に会社を去っているのではないか。この会社のサイトを今見てみると人間はかなり入れ替わっている。

(名簿が流れたのではないかと思ったことは、イギリスのエージェントでも生じた。履歴を送っていないのに紹介されたと言って連絡してきた会社があったのである。まあ先方がProzにある当方の経歴や連絡先を調べて連絡してきた可能性もあるので確たることは言えないが。いずれにせよ履歴など個人情報の送付には注意すべきである。)

このような会社に対する売掛金の回収は非常に手間がかかる。海外なのでバットを持って乗り込むわけにもいかない。債権回収会社もあるが、馬より鞍でそこに支払う手数料で翻訳料など飛んでしまう。それに裁判管轄が異なれば法的に有効な手段を見付けるのは至難の業である。

要はこのような事態にならないよう予防するに如かずということ。

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海外の翻訳会社との取引1

海外の翻訳会社と仕事をするときに気付いたことを順不同で書いてみる。

エージェントから翻訳者登録の依頼や仕事の依頼が来ることがある。さてここは信頼できるか。どのようにして確認をするのか。

まずProz.comを見てみる。これはフリーランスの翻訳者と翻訳会社のためのサイトで、登録するのは無料。そこにBlue Boardというページがありそこで翻訳会社の評判を調べるのであるが、5点満点で4.5以上あればあまり問題はない。

ただ海外の会社は栄枯盛衰が激しい。過去5年の平均評点ではなく、直近12か月の評点の方を注意する。この1年で評判が急速に低下していることもある。

評点はその会社の仕事をまたしたいかを示しているが、その根拠とするもので一番大きな要素は支払が確実かということ。これはProzに登録するだけで見ることができる。

支払状況を知りさえすれば十分なのであるが、有料メンバーになれば、評価者がなぜそのような評点を付けたのかを見ることができる。そのコメントを読めば、支払状況だけではなく、コーディネーターの対応や、事務の煩雑さなども推測がつく。

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2017.12.09

括弧内の入れ替え

これを実現しようとするとキー操作が多くなり意外に面倒である。例えば(山田太郎)を(太郎山田)としたいときである。そこで一連のキー操作をスクリプトにしてマクロに登録することを考える。

まず括弧とそれに囲まれているテキストを一つの論理行にしておく。つまりその行内にはそのほかのテキストはないという状態にしておく。カーソルは入れ替えをしたい区切りのところ、上の(山田太郎)という例では、姓と名前の間に置いておく。

入れ替えのキー操作を順番に記述すると、カーソルのあるところから後のテキストを論理行末まで一旦選択して、そこから選択部分を一つ左に動かして減らす。これで閉じる括弧を除いてカーソルの後のテキストが選択されたので、それを切り取る。次にカーソルを論理行の行頭に一度動かしてから一つ右に動かす。そこに切り取っておいたものを貼り付ける。

これで括弧の中身だけの入れ替えが実現して、(太郎山田)となった。秀丸では次のようなスクリプトになる。

setcompatiblemode 0x0F;
disabledraw;
//論理行の行末まで選択
//範囲選択開始
  beginsel;
//論理行末に移動
  golineend2;
//一つ左に
  left;
//切取り
  cut;
//論理行の行頭に移動
  golinetop2;
//一つ右に
  right;
//貼付
  paste;
endmacro;

なお、このスクリプトは、前後を入れ替えるときに行頭と行末の一文字ずつを除くという指定をしているだけで、文字種は指定していない。

従って前後にくる括弧の全角・半角の違いは問わないし、墨付括弧や山形括弧などどのような文字でも構わない。また中のテキストも全角・半角や和文・英数字など特に制約はないので意外に重宝すると思う。お役に立てば幸いです。

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