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2009.05.06

小さな世界

6次の隔たりについての番組を見る。順番に知り合いの知り合いを手繰っていくと、世界のどの人とも6人を介して繋がることができるという話である。これはアメリカの心理学者ミルグラムの説として聞いていたが、世界はすべて繋がっているという主張はある種の連帯感を与えるもので、世の中で広く受け入れられるのも頷ける。しかし彼の実験の成功率は極めて低かったことが後に判明して(伝達の途中で放置する人が多数いるのであろう)、その主張は学問の世界の都市伝説という学者もいる。

番組では、この6次の隔たりの話だけではなく、ネットワークを解明しようとしたスティーブン・ストロガッツ、ダンカン・ワッツ、アルバート・ラズロ・バラバシといった数学者たちが紹介されている。初め純粋に好奇心で行なわれ何の役に立つかわからなかった研究が数学的にまとめられ、やがてその実用価値が明らかになる。電力供給ネットワーク、航空機の路線、インターネットのつながり、人間の社会活動、動物や昆虫の行動、遺伝子病の解明、さらにはゲームにも応用される。

興味深いのはネットワークの構成要員の特性分布である。番組ではインターネットのホームページのリンク数を調べた学者を紹介していた。大多数の人のホームページのリンク数は限られているが、ごく一部の人が非常に多数のリンクを持っているのである。確かにその通り。これは飛行機の路線でも同じ。路線の余りないローカル空港が多数ある一方で、少数の国際的大空港があるのと同じである。このような特性分布は分子でも動物でも変わらない。

人脈も同じであるが、強力なネットワークはドラえもんの「どこでもドア」のようなもの。それがなければ幾つもの関係を手繰っていかねばならないのに、それを介して誰とでも一瞬にして繋がることができる。田舎の閉鎖されているような村でも、風変わりな繋がりを有している隣人がいれば、その隣人を介して一気に世界の風を呼び込むことができる。それは実は昔も今も変わらないであろう。何と愉快なことか。

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